研究概要 |
本研究では、球面上の荷電コロイド結晶化に基づき、粒子が正多面体(4 面体など)型に配列した、新規な粒子クラスターを構築する。本クラスターは異方的結合性を持ち、かつ量産が可能である。またその自己集合により、新規構造の構築を目指す。3 年間の研究期間内に、正多面体(4、8、および20 面体)型クラスターの生成条件、およびクラスターの自己集合により形成される構造の種類、を系統的に明らかにしたい。特にダイヤモンド格子構造の構成単位である、正4 面体型クラスターの作成と、その集合構造を重点的に検討する。具体的には、(1)平板上で2次元荷電コロイド結晶の作成、(2)正多面体型クラスターの構築、(3)クラスターの自己集合による高次構造の構築、の3 課題を設定し、順次検討する。 本年度は引き続き、正多面体型のクラスターの作成に注力し、正電荷と負電荷の粒子のクーロン力を利用する手法で検討した。市販または合成の負電荷を持つ数種のポリスチレン粒子(粒子直径 = 390,430,510,600,770,780,1200nm)と、合成により得た正電荷を持つポリスチレン粒子(粒径420nm)を混合することで、会合体を得た。負電荷粒子数を大過剰にすることで、クラスター粒子とフリーの負電荷粒子の混合体を得た。クラスターの会合数を顕微鏡観察し、適切な粒径比の390,430,510nmについて、目標としていた正四面体型クラスターを得た。さらに、界面活性剤を添加して電荷を反転させる手法で、負電荷を持つ2種類のポリスチレン粒子からもクラスターを得た。本内容は、欧州コロイド学会(2013年9月、ブルガリア)、また一部をCECAMコンファレンス(2013年5月、スイス)にて発表した。
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