光による水分解は,(a) 光捕集,(b) 光誘起電荷分離,(c) 水素発生,(d) 酸素発生,という過程に分解できる.貴金属を用いないことをテーマとして,光エネルギー変換系を検討した.当初計画であげた(b)と(c)の統合系としての超分子では,水素発生は見られなかった.(a)に関して,合成クロロフィル分子が規則的集合構造を形成することを見いだした.(b)で検討したナフタルイミド,ペリレンイミドの誘導体について,すぐれた耐光性をもつ色素を合成し,色素増感太陽電池の増感色素としての特性を明らかにした.(c)に関して,アセチルアセトンジオキシムと2価の銅イオンから,電気化学的な水素発生触媒が得られた.
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