本研究では、磁性半導体におけるキャリアと磁気モーメントの相互作用により、高い出力因子を持った熱電材料を創出できるのではないかとのアイデアに基づいて、カルコパイライト(CuFeS2)にキャリアドープを行った試料を作成し、様々な物性測定を行った。その結果、室温付近で1 mW/K2mを超える良好な出力因子を観測し、n型の熱電材料の候補であることを明らかにした。また、キャリアの有効質量が自由電子の4~6倍にも増大していることがわかり、磁性半導体における強い相互作用がゼーベック係数を増強していることが示唆される。また、放電プラズマ焼結法により、電気伝導性と高温安定性が同時に向上することがわかった。
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