本研究は、酸化銅(I)触媒を用いた水熱酸化法による難分解性有機塩素化合物の処理における触媒作用と反応機構の解明を目的としている。滞留時間を正確に制御可能なフロー式の水熱酸化反応装置を作製してクロロフェノールの分解を行い、酸化活性種であるヒドロキシラジカルの半定量や反応の経時変化を測定した。その結果、触媒によるフェントン型反応が水熱条件で加速され、温度166℃付近でラジカル生成量が最大になることを見出すとともに、分解率は10秒で98%に達する、シュウ酸が中間体として生成し完全分解を阻害することなどを明らかにした。
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