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2013 年度 実施状況報告書

マルチヘムタンパク質の部位特異的変異による光機能化

研究課題

研究課題/領域番号 24550183
研究機関東京工業大学

研究代表者

蒲池 利章  東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (30272694)

キーワードシトクロムc3 / 光水素発生 / ヒドロゲナーゼ
研究概要

本研究ではマルチヘムタンパク質である硫酸還元菌Desulfovibrio vulgaris(Miyazaki)由来のシトクロムc3 の部位特異的変位導入により特定のヘム近傍の環境を変化させ、元来有している電子伝達機能に加え新機能を付与することを目的としてる。特に、本申請研究ではシトクロムc3 に光増感機能を付与し、光励起電子移動反応をタンパク質一分子内で実現し、さらに、光機能化したシトクロムc3 とヒドロゲナーゼを組み合わせることで、高効率光水素発生径の構築を目指している。
これまでに引き続き、光機能化シトクロムc3の調製をShewanella oneidensisを用いた異種発現系を用いて行っている。特にHemeI以外の4個のヘムそれぞれに変異を導入し、特定のヘムの欠損したシトクロムc3を調製した。また、調製したヘム欠損シトクロムc3それぞれのヘムポケットに、Zn Protoporphyrin IXを導入することで光機能化を検討した。しかし、光機能化の効率が低かったため、ヘムポケットにさらに遺伝子工学的な変異を加え、光機能化効率の向上を目指した。また、シトクロムc3とヒドロゲナーゼを組み合わせた光水素発生径の構築のため、新たにベシクルを反応場として用いた測定システムを検討し、高効率な光水素発生系の構築を達成した。今後、光水素発生系の分光学的測定を行い、光誘起電子移動反応の詳細を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本申請研究ではヒドロゲナーゼの生体内での電子伝達タンパク質であるシトクロムc3に着目し、高効率光水素発生系の構築を目指す。この目的のために光機能化シトクロムc3の光機能化シトクロムc3のためのヘム欠損シトクロムc3を4種類作成し、その光機能化を検討した。また、高収率で光機能化シトクロムc3を得るため、ヘムポケット周辺の遺伝子工学的な改変を行い、変異タンパク質を取得している。また、新たに、ベシクルを用いた光水素発生系を構築し、その評価を行っていることから、研究は順調に進行していると言える。

今後の研究の推進方策

すでに光機能化のための変異シトクロムc3を12種類調製しており、これらに対する光機能化を行う。光機能化にはZnあるいはメタルフリーProtoporphyrin IXを用いる。また、本年度新たに構築したベシクルを反応場として用いた光水素発生系の分光学的な測定により速度論的解析を行う。これら研究により得られた情報を元にさらなる光水素発生効率の向上を目指す。

次年度の研究費の使用計画

当該研究の成果が、順調に進行しており、かつ、当初目的より先んじた研究が遂行できる可能性が出てきており、次年度の物品費を上積みすることにより効率よく研究を進行することができる可能性があったため。
次年度使用額は物品費として使用予定。早期の執行を計画している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Methane hydroxylation using light energy by the combination of thylakoid and methane monooxygenase2014

    • 著者名/発表者名
      Ito, H.; Mori, F.; Tabata, K.; Okura, I.; Kamachi, T.
    • 雑誌名

      RSC Advances

      巻: 4 ページ: 8645-8648

    • DOI

      10.1039/c3ra46870d

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Measurement of soil bacterial colony temperatures and isolation of a high heat-producing bacterium2013

    • 著者名/発表者名
      Tabata, K.; Hida, F.; Kiriyama, T.; Ishizaki, N.; Kamachi, T.; Okura, I.,
    • 雑誌名

      MC Microbiol.

      巻: 13 ページ: 56-62

    • DOI

      10.1186/1471-2180-13-56

  • [学会発表] 部位特異的変異による5配位構造のヘムを有するシトクロムc3の調製と性質2014

    • 著者名/発表者名
      中澤悠、伊藤力、杉本太郎、田畠健治、蒲池利章
    • 学会等名
      日本化学会第94春期年会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] Direct oxidation of methane to methanol by methane monooxygenase from M. trichosporium OB3b2013

    • 著者名/発表者名
      Toshiaki Kamachi, Kenji Tabata
    • 学会等名
      International Conference on Bio/Mimetic Solar Energy Conversion
    • 発表場所
      Osaka City Univ.
    • 年月日
      20131122-20131124
    • 招待講演
  • [学会発表] 葉緑体の光合成明反応を利用したメタンモノオキシゲナーゼによるメタン酸化反応2013

    • 著者名/発表者名
      森 史也、伊藤栄紘、大倉一郎、蒲池利章
    • 学会等名
      第43回石油・石油化学討論会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      20131114-20131115
  • [学会発表] Ptポルフィリンのリン光寿命を利用した細胞内酸素濃度イメージング2013

    • 著者名/発表者名
      蒲池利章、黒川宏美、井上舞、伊藤栄紘、井上正宏
    • 学会等名
      第7回バイオ機能関連化学シンポジウム
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      20130927-20130929
  • [学会発表] Metalloenzymes Immobilization Using Polymer Containing Cationic Side Chains2013

    • 著者名/発表者名
      Hidehiro Ito, Daisuke Tomioka, Mai Inoue, Chinatsu Hasegawa, Eiji Yashima, Toshiaki Kamachi
    • 学会等名
      International Conference on BioInorganic Chemistry ICBIC 16
    • 発表場所
      Grenoble・Alpexpo center
    • 年月日
      20130722-20130726

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公開日: 2015-05-28  

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