本研究課題ではQM/MM(Quantum Mechanical/Molecular Mechanical)法と呼ばれる量子化学計算の手法を用いることで、数万原子からなる生体分子などの巨大な系についてシミュレーションを行い、酵素の活性中心における反応活性種の反応性や電子状態を検討し、酵素による基質の活性化機構を明らかにした。成果としては、フルオロ酢酸デハロゲナーゼ、ヘムオキシゲナーゼ、ジオールデヒドラターゼなどの酵素反応について、QM/MM法による高精度なドッキングシミュレーションや変異体の反応性評価を行い、そのいくつかについて論文を発表した。
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