研究課題
1. 南方系薬用植物由来のシガテラ毒解毒活性化合物の探索:米国産ザクロの実、鹿児島産ベニスモモの実、喜界島産ボタンボウフウの葉、そして、沖縄産キダチトウガラシの実からシガテラ毒解毒活性物質の探索を行った。植物をメタノール抽出した後、ヘキサン層、90%メタノール層、ブタノール層、水層の4つの層に分離し、シガテラ解毒活性が見られた画分について、フラッシュクロマトグラフィー、ゲルろ過、および逆相HPLCにより解毒活性物質を分離精製した。当初、キダチトウガラシにおいては、ヘキサン層、ブタノール層、水層に活性がみられたものの、カプサイシン類が含まれている90%メタノール層は全く活性を示さなかった。しかし、分離精製を進めることで、カプサイシン類の中にシガテラ解毒活性を示す物質が含まれていた。合成した数種のカプサイシン類縁体と一緒にNeuro-2a細胞を用いて、細胞毒性とシガテラ解毒活性を調べたところ、カプサイシンの直鎖脂肪酸の鎖長や芳香環の置換基が細胞毒性に影響を与えていることがわかり、毒性が弱く、かつシガテラ解毒活性を示す化合物を2種得ることが出来た。2.海洋生物由来のシガテラ毒解毒活性化合物の探索:鹿児島産およびマレーシア産の海綿、ソフトコーラル、海藻からシガテラ毒解毒活性物質の探索を行った。それぞれの生物をメタノール抽出した後、上記と同じ方法を用いて解毒活性物質を分離精製した。その結果、マレーシア産海綿から4種類のアルカロイド化合物を単離し、そのうち、1種にシガテラ解毒活性を確認した。また、紅藻から得られたブロモインドール化合物について構造活性相関を行った。今後も、引き続き、シガテラの特効薬開発を目指した研究を進める。
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J. Oleo Science
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