チミジンホスホリラーゼは,チミジンを過リン酸分解する酵素であるが,修飾ウラシルを共存させると塩基部位交換反応が実施できることを明らかにしてきた.本反応を活用して,細胞内RNAのプローブと成り得る蛍光色素修飾ヌクレオシドの合成を,パラジウム触媒と連動させることで実施を可能とした.チミジンホルホリラーゼの反応には,リン酸緩衝液にDMSOを加えると,疎水性基質であっても反応が進行することが分かった.ドッキングシミュレーションより,酵素の活性部位に固定化されたウラシルの5位が外を向いていることがわかり,リンカーを用いてポケット外部であれば大きな官能基である蛍光色素などでも合成できる事を示した.
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