フレキシブル熱電変換素子用のソフトマテリアルを開発することを目的として、p型とn型導電性高分子を合成し、それらの電気的諸物性を調べた。(1) ポリアニリンスルホン酸のスルホ基をナトリウム塩化すると、スルホ基による自己ドーピングが阻害されて、高分子のキャリア濃度とゼーベック係数の制御が可能であることが分かった。(2) 側鎖にナトリウムイオンを包接可能なクラウンエーテル環(CE)をもつn型共役高分子を合成した。このn型共役高分子をナトリウムナフタレニドでn-ドーピングすると、ドーパントカチオン(Na+)がCE部分に包接されることで、空気中でのn-ドーピング状態が大幅に向上することが分かった。
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