本研究では、フルオラス化合物において未開発な性質であるペルフルオロアルキル基の強力な電子求引性を活用した高性能の酸化剤を合成し、さらにこの特長を活かした機能性電子材料、すなわちフッ素系二次電池正極材料の開発を行った。以下に成果を述べる。(1)ベンゾキノンにペルフルオロアルキル基を導入したところ、強い酸化剤となることを見出した。(2)合成したベンゾキノン類を用いて二次電池を作製した。その結果、3V程度の高い出力電圧を示した。一方、臭素を導入したベンゾキノンが容量密度は小さいものの、サイクル特性が最も良い結果となった。(3)更なるサイクル特性の改善を目指しベンゾキノン類の多量化を検討した。
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