二酸化チタンのナノワイヤーを半導体層として用いた色素増感型太陽電池の高効率化に関する研究を行った。透明電極を従来の酸化スズ系透明導電膜から二酸化チタン系透明導電膜に置き換えることで,短絡電流密度が増して光電変換効率が向上することがわかった。加えて,二酸化チタンナノワイヤーの表面を塩化チタンで処理することで,さらに大きな短絡電流密度が得られることもわかった。二酸化チタンナノワイヤーの作製条件を最適化することにより,変換効率は最大3.53%にまで達した。ここで得られた変換効率は,これまでにナノワイヤーを用いて作製された色素増感太陽電池の中で最も高い値である。
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