研究実績の概要 |
平成26年度は前年度までに合成した様々な非対称ドナー・アクセプタ型オリゴシラン類の非線形光学特性や発光特性の詳細な研究調査・考察を行った。蛍光は固体状態、溶液状態ともに高い蛍光量子収率を有する青色~緑色発光を示した。発光の波長位置はドナー置換基、アクセプタ置換基の種類によって変化した。これらの発光発現メカニズムをDFT並びにTD-DFT計算によって推測した。合わせて非線形光学特性も置換基(特に置換位置)によって大きく変化し、最高で尿素の3倍程度の非線形光学特性を示した。この結果をJ. Am. Chem. Soc., 2015, 137, 1024-1027に投稿した。 これらの結果を元に様々な方向に拡張した非対称ドナー-アクセプタ型オリゴシラン類の合成を試み、数十種類の化合物を合成した。これらの優れた発光特性も調査しており、最高で蛍光量子収率0.86を有する青緑色の蛍光を示す化合物を合成することができた。
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