研究課題/領域番号 |
24550227
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研究機関 | 地方独立行政法人大阪市立工業研究所 |
研究代表者 |
松川 公洋 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 電子材料研究部, 部長 (90416321)
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研究分担者 |
御田村 紘志 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, 電子材料研究部, 研究員 (90437054)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | モノリス / エポキシ樹脂 / パラジウムナノ粒子 / フロー有機合成 / 鈴木カップリング / シリカハイブリッド |
研究実績の概要 |
エポキシモノリス多孔体は、エポキシ硬化時のスピノーダル分解で形成され、そのモノリス表面にパラジウムナノ粒子触媒を担持することに成功した。これら機能性モノリスをHPLC用ステンレスカラム内に作製し、フロー有機合成用カラムリアクターに展開させた。今まで、Heck反応、鈴木カップリングへの適用を検討し、それら反応に用いられる助剤である塩基の種類について、種々検討してきた。また、パラジウムナノ粒子を配位子(トリフェニルホスフィン)処理することで、高収率で生成物を与えることを見出した。また、カラムリアクターとしての応用範囲については、芳香族ハライドとして臭化ピリジンを用いた場合、パラジウムの触媒活性が低下するという欠点が見られた。この原因は、ピリジンのパラジウムへの配位が起こったためと推測された。しかし、トリフェニルホスフィンで前処理することで、触媒活性の低下を防ぐことが可能であった。さらに、トリフェニルホスフィン処理で、繰り返しの使用回数も増大する傾向が認められた。 カラムリアクターを長期間、高温で繰り返して使用するためには、耐熱性、耐溶剤性、機械的強度の向上が求められる。そこで、シリカナノ粒子を添加したハイブリッドエポキシモノリスを作製し、それらをカラムリアクターとしての応用を検討した。エチレングリコール分散シリカナノ粒子を通常のエポキシモノリス作製溶液に添加して、スピノーダル分解を行ったところ、大部分のシリカナノ粒子がエポキシ側に移行し、ハイブリッドモノリスが生成していることを、電子顕微鏡観察及び熱重量分析より確認した。シリカナノ粒子を含有したモノリスの機械的特性を調べたところ、10wt% 以下の添加量で、曲げ強度が向上することが分かった。機械的強度が向上したことから、圧力下でのモノリスの収縮、空孔の閉塞が抑えられることが予想され、リアクターとしての高性能化を図ることができた。
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