血液凝固の主要因子であるフィブリノゲンがフィブリンゲルを形成するメカニズムの詳細を明らかにすることを目的として、Bβ鎖N末端領域66残基(BβN)の役割に注目して研究を行った。BβNがフィブリノゲン末端D領域と相互作用することがフィブリン凝集・ゲル化において重要な役割を果たしていること、その中心となるのはBβ44Arg周辺部位の可動性の高い非構造領域、中でもBβ44Argが相互作用に必須の役割を果たしていることがSPR測定により示唆された。N結合複合糖鎖は、BβNのD領域との相互作用に対して阻害的に影響することにより、プロトフィブリルのラテラル集合の抑制因子として作用することが示唆された。
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