サスペンションから溶媒キャストにより得た高分子コンポジット試料について,高分子を予め表面に物理吸着させることで,ポリスチレン(PS)中での親水性フュームドシリカの分散性が著しく向上することが判った。また, PSと同種よりも,非相溶なポリ(2-ビニルピリジン)を吸着させた方が,PSマトリックス中でのシリカの分散性が高かった。フュームドシリカが本来有するミクロな凝集構造は高分子中に分散させても変わらなかった。カーボンブラックを粒子として用いた系では,分散媒によるサスペンション状態における安定性が,PSマトリックス中での粒子の分散状態に反映されることが判った。
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