結晶性高分子を用いた高機能材料の革新的な第一原理設計法の開発を目指して、分子動力学シミュレーションを用いた高分子結晶化のメカニズムの解明、特にその普遍的原理と個性的な振る舞いの解明に取り組んだ。 高分子結晶化の普遍的側面を明らかにするため、モデル高分子に対して大規模計算を行い、様々な特徴的な分子過程の存在を明らかにした。また螺旋高分子の個性的な結晶化、特にその螺旋認識機構の解明を目指して長時間の分子動力学計算を敢行し、代表的な螺旋合成高分子であるアイソタクチックポリプロピレン結晶化の直接観察に成功した。結晶化における様々な場の効果の解明にも分子動力学法が非常に有効であることも明らかにした。
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