本研究課題「多波長光照射で制御する感光性高分子材料の設計指針」は、感光性高分子において、異なる波長の光を複数回照射することにより、高性能材料としての展開を図るものである。そこで、感光性高分子において、光重合・光分解系、光分解・光重合系と分類し、それぞれの検討を行った。光重合・光分解系においては、平成25年度に見出したチオール・エン光硬化系の連鎖長に関する知見をメタクリルモノマーのみならずアクリルやアリルモノマーへと展開できた。本成果に対する学会発表を精力的に行い、研究成果の周知に尽力した。光重合・光分解系において、本研究課題で開発した新規光酸発生剤を用いて、405nm光を初めて光硬化系に用いることに成功した。この光硬化系はポリシランを含有しており、254nm光照射を用いた光分解系への適応可能性を見出した。海外の国際発表においても関連研究について発表を行った。その発表について雑誌に取り上げられた。その国際発表について情報収集を行い、省エネルギーの光源であるLED光源が注目されていること、また、その実用化に向けたさまざまな取り組みが進んでいることを目の当たりにし、今後の研究方針に対する貴重な知見を得ることができた。平成24年度あるいは平成25年度の成果を論文としてまとめ、投稿した。それらの論文が掲載された。得られた研究成果において、知財的価値があるかどうかを学内のリエゾンオフィスと相談した。
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