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2012 年度 実施状況報告書

単糖類を原料とする剛直・易分解性高分子の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24550262
研究種目

基盤研究(C)

研究機関近畿大学

研究代表者

須藤 篤  近畿大学, 理工学部, 准教授 (20293053)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード単糖類 / アセタール化 / 剛直高分子
研究概要

本研究の目的は、単糖類を原料として用い、剛直でありながら、必要に応じて容易にモノマーへと分解可能な高分子を開発することである。具体的には、(1)糖のジオール部位とケトンの反応による環状アセタールの合成を最適化し、 (2)糖とジケトンの重縮合によって縮環系(糖由来の環+重合によって生成する環状アセタール)を主鎖にもつ高分子を合成し、(3)その剛直さが強度や耐熱性に与える影響をしらべ、(4)環状アセタール部位の酸加水分解によってモノマーへと戻すこと、の4つを達成することを目指している。
今年度の研究では、当初の研究計画どおり、上記の4つのサブテーマのうち(1)および(2)を達成できた。
具体的にはガラクトースおよびイノシトールを、それらの水酸基の位置選択的な変換を行うことでテトラオール型モノマーへと誘導し、それらとシクロヘキサノンの反応によって条件の最適化を行うことができた。なお、ガラクトースとイノシトールそのものをモノマーとして用いるアセタール化反応も試みたが、多数の水酸基が存在するために多くの位置異性体が生成し、これを高分子合成へと展開した場合、主鎖中に多くの異性体構造をもつ規則性に乏しい高分子が得られることが予想されたため上記のようなモノマー構造の設計を施した。さらに、シクロヘキサノンとの反応で最適化された条件を用い、ガラクトースおよびイノシトールから誘導したモノマーとシクロヘキサンジオンの重縮合反応を行うことで、剛直なスピロ環状アセタール骨格をもつ高分子の合成に成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

糖のアセタール化を用いた剛直なスピロ環状かつ縮環系骨格をもつ高分子の合成、という研究目的に対して、(1)まず糖そのもののアセタール化を検討してその問題点を明らかにし、(2)それを解決すべく適切な糖誘導体の設計と合成を行い、(3)糖誘導体のアセタール化の条件を見出し、さらには(4)これを高分子合成へと展開することで剛直なスピロ環状骨格をもつ高分子を得ることに成功した。
この研究の進捗は当初研究計画通りであり、また今年度達成目標として設定した「剛直なスピロ環状骨格かつ縮環系骨格をもつ高分子の合成」を達成できていることから、本研究はおおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

当初研究計画において、平成25年度では高分子合成のスケールアップを予定している。既に24年度の研究において小スケールでの高分子合成に成功していることから、これを徐々にスケールアップし、反応条件についてもさらに綿密に検討を行いながら、最終的には10グラム以上の高分子を得ることで目標を達成できると考えられる。
また、平成25年度には、それまでに得られた剛直なスピロ環状骨格をもつ高分子の各種の基本的物性(熱分解温度・ガラス転移温度など)の測定を行い、剛直構造が高分子の物性に与える影響についての調査を開始する予定である。これも、高分子合成のスケールアップがすすむと同時に問題なく遂行可能であると考えられる。
以上のことから、引き続き今年度も当初研究計画のとおり研究を遂行していく予定である。

次年度の研究費の使用計画

該当なし

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] myo-イノシトールを原料とした主鎖に縮環系をもつ高分子の合成2013

    • 著者名/発表者名
      須藤 篤・柴田 佳哉・宮本 彩野・立岡 優佳
    • 学会等名
      第62回高分子学会年次大会
    • 発表場所
      京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      20130529-20130531

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公開日: 2014-07-24  

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