研究実績の概要 |
K, La系M型フェライトにCaを添加したK, Ca, La系六方晶M型フェライトの作製を行った。Ca, La系六方晶M型フェライトについてはCa0.5La0.5Fe12O19となるよう秤量し1250℃で焼成した。作製した試料は六方晶M型フェライトのピークに一致しておりK, Ca, La系六方晶M型フェライトの作製に成功した。異相のピーク強度もK, La系六方晶M型フェライトに比べ小さくなったことを確認した。飽和磁化値は60 emu/gを示した。キュリー温度は405℃であった。EPMA測定(50点)を行った。化学式中のK, Ca, La部分の組成を合計して1になるように計算すると、K:Ca:La:Fe=0.16:0.54:0.3:9.1であった。以上の結果より、作製したK, Ca, La系M型フェライトの組成式は Ca0.54K0.16La0.30Fe9.1O19-δ であるものと考えられる。 以上より、安価でありふれた元素を用いて、強磁性六方晶M型フェライトを作製するという本申請の狙いは実現した。前年度の課題であったランタン含有量を減らすということにも成功した。現在、更にランタンの含有量を減らしていくことを試みている。 また、その周辺物質の探索も行い、複雑な構造を有する六方晶U型フェライト、鉄の価数制御をした六方晶フェライト、噴霧熱分解法による六方晶Y型フェライトの作製にも成功した。このような新物質探索は、新材料開発研究の礎石として貢献することができる。
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