誘導結合型プラズマ(ICP)を用いて,錯体重合法により作製したKSrPO4:Eu蛍光体の還元処理を行った.水素を混合したバッファーガスを用いたICPを照射することで,還元された2価のEuイオンの発光が著しく増大した.Euイオンの還元量はバッファーガス中の水素濃度,投入電力,照射時間とともに増大し,水素濃度7%,投入電力80W,照射時間15分の条件下では,従来の加熱による還元処理(水素濃度5%,1000℃,3時間)に比べ,1/3程度にまで迫る還元量であった.ICP照射直後の試料温度は300℃以下であり,ICPは極めて短時間かつ低温で蛍光体中のEuイオンの還元処理できる方法であることがわかった.
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