医療材料として注目を集めるCa10(PO4)6(OH)2(HA)が示す微弱な圧電性(歪みで電圧を発生・電圧で歪みを発生)を実用レベルに増大することで「生体由来物質であるために環境へ有害性を示さず希少元素を含まない」環境問題と鉱物資源問題を同時に解決し得る新奇な電子デバイスが期待できる。圧電性増大はHA結晶の原子配列を完全に制御することが必要なため、その基礎を確立する目的で、本研究ではHA薄膜の原子レベル成長制御を試みた。その結果①Al2O3(001)基板上に結晶軸がそろったHA薄膜を得ること、②HA薄膜作製条件を詳細に制御し、正規組成(Ca/P ~ 1.67)に近い試料を得ること、に成功した。
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