本研究では、電界放出誘起成長(FEIG)法を用いて、電子顕微鏡用の電子源として使用可能な高輝度ナノカーボン電子源の作製を行うことに成功した。作製したナノカーボン電子源は直径1nm程度のカーボンナノカプセルで構成されており、一般的な単結晶タングステンより1桁以上高い輝度を達成した。FEIG法の自己整合性により、作製したナノカーボン電子源は電子線の軸調整が容易である。また、作製したナノカーボン電子源は、単結晶タングステンと同程度の引き出し電圧で駆動でき、既存の電界放出電子銃への適応性が極めて高いことが実証された。
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