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2012 年度 実施状況報告書

シリコン中ドーパントの超高分解能深さ分布測定法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24560027
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

中嶋 薫  京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80293885)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード半導体物性 / ドーパント / 表面・界面物性 / イオン散乱分光 / アトムプローブ
研究概要

申請者の研究室の高分解能RBS装置を用いて、シリコン基板にドーピングされたホウ素などの軽元素分析に適した条件の探索および検出器の改良を行った。
試料にプローブイオンを照射し、弾性的に反跳された粒子のエネルギーを測定することによって軽元素の深さ方向分析を行う、弾性反跳粒子検出法(ERD)によって分析を行う場合、分析したい元素(ホウ素など)より軽いプローブイオンを使うことにより、シリコン基板から散乱されるプローブイオンの影響が避けられ、より感度の高い測定が可能であることを確かめた。
一方で、散乱イオンまたは反跳イオンの検出器に用いている検出器(マイクロチャンネルプレート、MCP)が自発的に発生するダークノイズが高感度分析の妨げになっていることから、MCPの前面にマイラー膜を設置して、イオンがマイラー膜を貫いてMCPに到達するときにマイラー膜から放出される二次電子と同時測定を行うことで、ダークノイズの影響を避けて
さらに高い感度の測定が可能であることを確かめた。この際に、マイラー膜からMCPに向けて後方に放出された二次電子が、散乱イオンまたは反跳イオンとともに信号を生起させることが問題になっていたので、マイラー膜とMCP入口間に電圧をかけて二次電子のMCPへの到達を阻止できるように、検出器系の改良を施した。
これによって、まだ実施できていないが、当初計画していたようにアトムプローブ法(APT)の分析結果と比較を行った際に、より定量的な考察を行うことができると期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

昨年7月から9月までJSPS組織的な若手研究者等海外派遣プログラムを利用して、ドイツに滞在した。この間当研究課題のための実験を行うことができなかった。
昨年の12月から所属の専攻のキャンパス移転が行われ、高分解能RBS装置を含む実験装置
を移転する必要があった。移転後も各種装置の立ち上げ、高分解能RBS装置の性能確認のための測定等を行っていたため、思うように当研究課題のための実験を行うことができなかった。

今後の研究の推進方策

専攻のキャンパス移転後に行った高分解能RBS装置の性能確認において、エネルギースペクトメータの分析管の不具合が見つかったので、まず分析管の再製作を行う。
ホウ素またはヒ素などのドーパントを表面付近にのみ良く制御して注入したシリコンウェハーを新たに入手して、高分解能RBSおよび高分解能ERDの分析を行う。その後、同じ試料を他の研究所に依頼してアトムプローブ分析を行ってもらう予定である。

次年度の研究費の使用計画

分析管、ゲートバルブなど超高真空部品、マイクロチャンネルプレート(MCP)等の購入を予定している。シリコンウェハーや他の高純度試料の購入も予定している。
8月に当研究課題に関連するイオン散乱分析に関する国際会議(ロシア)に招待を受けており、その旅費に予算を使用する。またアトムプローブ測定を外部の研究所で行う際には実験に立ち会うための旅費に利用したいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] High-resolution Elastic Recoil Detection for Boron Depth Profiling2012

    • 著者名/発表者名
      Kaoru Sasakawa
    • 学会等名
      25th International Conference on Atomic Collisions in Solids
    • 発表場所
      Kyoto
    • 年月日
      20121021-20121025

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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