X線の表面散乱・回折手法を主な研究手段として、生分解性高分子や生体高分子等の薄膜やその表面、基板との界面における構造とモフォロジーの形成・消失過程の定量的な観察を行った。分子性物質の融解、結晶化、ガラス化は界面と分子の相互作用や、運動可能な領域(膜厚)により大きく変化するため、生分解性高分子薄膜の融解、結晶化、ガラス化に伴って生じる固有の構造とモフォロジーの定量的な観察と理解は物性の理解と構造制御手法の確立に際して極めて重要な知見を提供するものである。今回特にポリヒドロキシ酪酸(PHB)とポリ乳酸(PLLA、PDLA)等の薄膜について研究を行い、結晶化度と分子の配向性の制御に成功した。
|