研究課題/領域番号 |
24560038
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
東口 武史 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80336289)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 水の窓 / レーザー / プラズマ / 軟X線 / スペクトル / 高Z |
研究概要 |
高強度レーザープラズマベースのコンパクトで帯域放射の高効率水の窓 (波長2~4 nm) X線光源を実現し,高効率かつ高出力のX線により生体細胞をフラッシュ撮影できる卓上型顕微鏡を開発することにより,研究室レベルでの生命科学を飛躍的に向上させることを目的として,研究を進めている.特に,水の窓領域での高効率X線光源を実現するために,線放射ではなく帯域放射を用いることによって,レーザーから水の窓X線への変換効率0.1%以上を実現させることを目標としており,そのためにビスマスプラズマ高輝度光源について二重パルス照射法による追加熱や,他の元素での光源の可能性について研究を進めた.Biに変わる別の材料についても調べた.その結果,Zrを用いると,多層膜鏡との光学的結合も良く,最適レーザー強度も下げつつ,それなりの出力も確保できることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
水の窓領域での高効率X線光源を実現するために,線放射ではなく帯域放射を用いることによって,レーザーから水の窓X線への変換効率0.1%以上を実現させることを目標としている.研究の目的を実現するために,研究計画に沿った内容に加えて,ビスマスプラズマ高輝度光源について二重パルス照射法による追加熱や,他の元素での光源の可能性についても研究を進めた.その結果,Zrを用いると,多層膜鏡との光学的結合も良く,最適レーザー強度も下げつつ,それなりの出力も確保できることが分かった. 当初予定していた光源のスペクトル測定および変換効率の評価を行うことができ,幾つかの原著論文を発表することができた.加えて,次年度以降に予定していた顕微鏡との結合を評価する前段階(予備計算)にも着手していることから,当初の計画以上に進展しているものと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
当初計画よりも大きく進展し,平成26年度に実施予定していた反射光学系と光学設計を平成25年度に実施する必要が出てきた.このことにより,光学設計だけでなく,実際に生体顕微鏡も構築していくことにした.光源出力エネルギーおよび変換効率の最適化を図る.また,反射光学系を用いた生体顕微鏡を構築する光学設計にも着手し,生体組織や細胞のシングルショット撮影への道筋をつけ,生体顕微鏡を構築するための光学設計を行う.
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次年度の研究費の使用計画 |
放射スペクトルおよび放射エネルギーを測定するための光学素子を購入する費用に充てる予定である.また,国内外での研究報告などを行うための旅費も一部計上する予定である.
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