研究課題/領域番号 |
24560040
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
津村 徳道 千葉大学, 融合科学研究科(研究院), 准教授 (00272344)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 顔画像 |
研究概要 |
平成24年度は,顔動画像データベースの収集と,平均顔(標準顔)の作成と,標準顔へのモーフィング処理を実施した.平成23年度に行った予備実験として用意した17枚の研究室学生の顔画像に対して,静止画に対する手入力特徴抽出を行い,顔画像合成システム(FUTON)により,処理を行った結果と同様に,今年度は203名の顔画像を新たに収集し標準顔へのモーフィング処理を行なった.収集された顔画像203枚に対して,独立成分分析により色素成分分離手法を新たに実装し,色素成分,陰影成分,表面反射成分に分解した.それぞれの画像に対して,謝金でお願いした学生らによる手作業により顔画像から特徴点を抽出し,203枚の顔画像に対する平均顔を算出した.203枚のすべての顔画像に対する平均顔を標準顔として,モーフィング処理を行った.また,目と唇の部分は特徴点の情報をもとに取り除いた.得られた,203枚の画像集合に対して,主成分分析を行った.主成分分析は,メラニン成分画像,陰影成分画像それぞれに対して個別に行った.最後に,得られた主成分画像に関する重み係数と,年齢との相関を重回帰分析により算出し,その相関関係をもとに入力された任意の年齢の顔画像に対して,様々な年齢の顔画像を合成することが可能となった.ただ,今年度は,顔画像の形の変形に関しては全く考慮しておらず,次年度以降,この点に関して優先的に解決していく予定である.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書で計画した研究を100%の達成度で実施できた.さらに顔の形状変化の重要性などの新たな課題も得ることができた.
|
今後の研究の推進方策 |
主成分分析結果と顔の属性の重回帰の結果を基に,各属性の変化にともなう顔画像の合成を実現する.この際,顔画像合成システム(FUTON)から得られた形状情報などの属性も加えて,重回帰を行う.その結果,様々な属性に対する動的な顔画像の合成が実現する. 本研究では,金沢大学付属病院の和漢診療を行っている小川恵子先生と連携し,和漢外来の患者の顔動画像の撮影を行うことになっている.医師のほうでは,顔だけでなく,舌診,問診,聞診,脈診,服診などの結果から患者の健康状態の属性を得ている.画像の主成分結果と医師により与えられた属性との間の相関解析(重回帰)を行うことにより,個性を維持しつつより健康的な顔画像への合成を実現する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
画像処理用PC・GPGPU 用マルチGPU 高性能PCに関しては,超高次元の画像ベクトルの主成分分析をするために必要であり,研究室に現有の32ビットのPCでは,メモリが3Gまでしか確保できず,対応不可能である.次年度,64ビットの高性能PCを購入して十分なメモリを実装した上で,MATLABのプログラムを実行する必要がある.MATLABに関しては,既に研究室でライセンスを保有している. また,今年度,大量の特徴点を抽出するために画像処理の作業を大学院生に実施してもらう関係で謝金をする.また,24年度で十分な成果が出たため,海外発表にすでに投稿済みであり,十分な旅費を計上する.
|