研究課題/領域番号 |
24560050
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
古田 寛 高知工科大学, 工学部, 准教授 (10389207)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | メタマテリアル / カーボンナノチューブフォレスト / 自己組織化 / 光物性 / 配線加工 |
研究概要 |
カーボンナノチューブフォレストメタマテリアル開発の要素技術として、短尺高密度成長、電極構造設計、バルク構造体の光学特性評価の研究を行った。 熱CVD装置のガス導入および排気弁の自動化制御改造により、ガス圧力のパルス化導入し、短尺CNTフォレストの成長構造を制御した。CNTフォレスト成長高さを1μm単位で成長制御し、高配向、低配向CNTフォレストの正反射および拡散反射、赤外透過吸収測定により、これら短尺CNTフォレストの構造と光学特性の相関を明らかにし、応用物理学会において報告した。カーボンナノチューブフォレストの高密度化について、新しい触媒Ni/Fe/Al積層触媒を開発し、3E+11 CNTs/cm2に高密度化成長させ、成果を国際会議で発表し、査読付き学術誌Dia. Rel. Mat.およびTrans. MRS-Jで論文発表した。 本年度の研究実績として、査読付学術誌論文2報、学会発表10件(内、招待講演1件)の成果発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
CNT合成CVD装置の圧力制御を自動化し、合成圧力の短時間パルス化導入により、目標である1μm以下のCNTフォレスト高さを達成した。これらCNTフォレストの光学特性とCNTフォレスト構造(長さ、配向性)の関係を明らかにし、この点で研究目的に対して大きく進展した。CNTフォレスト構造体の成長制御技術に関して、新たな合成触媒であるNi/Fe/Al3層積層触媒の成長メカニズムを明らかにし、3E+11/cm2の高密度CNTフォレストの形成に成功した。トップダウンプロセスによるメタマテリアル電極構造を設計したが、試作評価が未実施であるために、研究目的の達成度全体としては、おおむね順調に進展していると評価する。
|
今後の研究の推進方策 |
トップダウンプロセスによる配線加工したCNTフォレストメタマテリアルの光学応答を明らかにし、ボトムアッププロセスによる自己組織化CNT構造体の光学応答特性を明らかにする。 本年度は新たに、自己組織化によるメタ原子構造の自己形成成長技術を開発する。CNTを構成要素とするナノ構造体(多段CNT Film、コロイダルシリカ球上CNT、水蒸気切断多段CNT)を、メタマテリアル自己形成技術に発展させる。ボトムアッププロセス要素技術(2-1a)コロイダルシリカ球上CNT成長機構を利用したCNTフォレスト成長技術、(2-1b)多段CNT Film成長技術、(2-1c)ヘリカル形状CNTフォレスト形成技術、 (2-2)電極構造設計計算を実施する。 トップダウンプロセスによるメタマテリアルCNTフォレスト電極配線の光学特性実証実験を加速させるため、ボトムアッププロセス要素技術の多段CNTフォレスト構造体、コロイダルシリカ球上CNT、ヘリカル構造CNT構造体について、光学特性を優先させて評価した上、ボトムアッププロセス候補の絞り込みと集中を行い、メタマテリアル光学特性実証開発を加速する。 電極構造設計計算については、ボトムアッププロセスで形成する、自己形成CNT構造体について、光学応答スペクトルを予測計算する。可視光応答可能なCNTフォレスト成長構造を設計することを目標とする。
|
次年度の研究費の使用計画 |
スパッタリング電源を導入し、高密度触媒薄膜形成に使用する計画である。触媒薄膜および電極形成のため、マグネトロンスパッタリングターゲット等の消耗品を購入し使用する計画である。 トップダウンプロセス、ボトムアッププロセス用の基板、フォトマスク、化学薬液などの購入に研究費を使用する計画である。
|