最終年度に実施した研究の成果 ボトムアッププロセスによるCNTフォレストメタマテリアル実証について、CNTフォレストの構造制御と光学特性を研究した。CNT多段積層構造作製では、(Fe/AlO)n積層触媒を試み、Fe膜厚1nm、3nmでは、AlO膜厚 6~24nmの範囲で多段となるCNT合成条件が得られなかった。パルススパッタ法をFe堆積に適用し、条件最適化により5.8nm平均直径のFe触媒微粒子を堆積した。パルススパッタリングにより高密度触媒を堆積し、熱CVD合成条件の最適化により、炭素膜をCNTフォレストが支える構造の霜柱状CNTフォレストを作製し光学特性評価した。触媒水素アニールによりウェービング構造CNTフォレストを作製し、また、液浸処理によるハニカム構造を作製し、反射率スペクトルをCNT軸配向性により説明した。
研究期間全体を通じて実施した成果 CNTフォレストメタマテリアルの開発として、短尺高密度成長、電極構造設計、バルク構造体の光学特性評価を行った。CNT合成触媒のスパッタリング堆積について、堆積する薄膜のコンダクタンスをその場評価することにより、1nm程度の極薄い薄膜の、島状構造から連続膜形成の初期過程を評価可能にした。パルススパッタリング堆積により、触媒微粒子が10^12/cm2の高密度島状形成することを見出した。配向性を制御したCNT構造体を作製し、紫外-可視、エリプソメトリ、FTIR、テラヘルツ電磁場吸収光学特性を評価した。短尺1~3μm高さCNTフォレストのπプラズモンピーク吸収(5.5eV)とSEMで評価したCNT直径から、SEMで評価困難な本数密度を推定する手法を提案した。CNTフォレストXRDによる配向性評価との比較により、CNT軸の配向性が高いほどとCNTフォレスト高さ方向への反射率が低下する対応がわかった。CNTフォレストを配線加工したメタマテリアル実証には至らなかった。
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