大電力パルススパッタリング(HPPMS)において、プラズマ電位を制御することで、イオン化されたスパッタ粒子の接地基板に対する入射エネルギーを変化させ、堆積する薄膜の構造を緻密化・平坦化する手法を開発した。申請時には、これをターゲットに印加する電圧波形によって実施する計画であったが、第三電極を追加してプラズマに接触させることで、この効果をより効率的に実現することが可能となった。水冷基板に堆積させたCu膜において、非常に平坦な薄膜構造が実現された。また堆積粒子の垂直入射とエネルギー制御とが要求されるMo微小電子源の作製において、本手法の有効性を確認できた。
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