これまで半導体ガスセンサの過渡応答を用いた臭いの識別を試みてきた。平成25年度はガスの種類による過渡応答の立ち上がりの差に加えて、立下りの部分の差も利用してアルコール系のガスの識別を試み、2種類のアルコールガスの識別に成功している。 平成26年度は、過渡応答の平坦部分の傾きの差に着目して、この傾きの差を利用したアルコールガスの識別を試みた。100ppmの濃度のメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールの4種類のアルコールガスに対する過渡応答の平坦部分の傾きを測定してデータベースとした。 測定したアルコールガスに対する過渡応答の平坦部分の傾きをArduinoマイクロプロセッサーを用いて比較して、測定したアルコールガスの種類を求めた。その結果測定した4種類のアルコールガスすべてにおいて、ほぼ100%の確率で識別が可能であった。 100ppm以外の濃度においても、アルコールガスの種類によって過渡応答の平坦部分の傾きが変わるので、データを集めることによって識別が可能になると考えている。今後は濃度に関わらない識別を目指したい。
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