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2012 年度 実施状況報告書

囁きの回廊モード共鳴を用いたナノセンサーと信号処理素子のシミュレーションデザイン

研究課題

研究課題/領域番号 24560071
研究種目

基盤研究(C)

研究機関筑波大学

研究代表者

COLE James B  筑波大学, システム情報系, 准教授 (20280901)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード囁きの回廊モード / 微小共振器 / CROW / NS-FDTD / 量子コンピュータ / フォトン共振 / qubit
研究概要

囁きの回廊モード(WGM)はMie散乱領域(構造体の大きさが波長と同等である)で生成することができる。これらの共振器を用いれば、コンパクト(サイズが数百ナノメートル)な半導体ウエハー上に光情報処理を行う際、コンピュータ機器、光の流れを制御する各種装置を構築することができる。エバネッセント結合による共振導波管(CROW)と呼ばれるものを作成するために利用できる。
私たちはFDTD法において非標準と呼ばれる新しい高精度バージョン(NS)を開発した。計算コストは16倍に上昇するものの、NS-FDTD法では、グリッドサイズを1/2にすると、誤差を元の値の64分の1に減少させることができる。残念なことに、高精度アルゴリズムは、単独では問題を解決するために十分ではない。共振時に、マクスウェル方程式の解は数値グリッド上のデバイスの形状に敏感になり、精細グリッドがデバイスを表すために必要とされる。我々はこの問題を軽減する方法を発見した。Mie領域では、デバイスサイズと波長の比は約1である。デバイスを表すために多くの格子点を使用することは波長を表現するために多くの格子点を用いる必要性を意味する。波長ごとに使用される格子点が多くなることは、時間ステップ点で波長の周期が長くなることを意味し、したがって一波長中の固定波数を計算するのにより多くの時間が必要となる。より長い波長に対して解決策を見つけるため短波長を使用することができれば、一周期中に固定数を計算するために必要な時間ステップ数を減らすことができる。短波長を使用して計算コストを低減することができる対象波長のグリーン関数に基づく方法を今研究期間に提案した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

Mie領域共振時に、マクスウェル方程式の解は数値グリッド上のデバイスの形状に敏感になり、精細グリッドが、デバイスを表すために必要とされることを発見した。さらに、我々はこの問題を軽減する方法を発見した。Mie領域では、デバイスサイズの波長の比は約1である。デバイスを表すために、多くの格子点、最低2グリッド以上を使用して波長を表現する必要がある。これは、さらに多くの格子点を用いる必要性を意味する。波長ごとに使用される多くの格子点、時間ステップ点でより長い波の周期、したがって一波長中の固定波数を計算するのにより多くの時間を費やすことを意味する。一周期中に固定数を計算するために必要な時間ステップ数を減らすことを可能にするアルゴリズムを発見し、短波長を使用して計算コストを低減することができる個別のグリーン関数に基づく方法を提案した。さらに、メタ物質を計算する際に、誘電率テンソルのファクトライゼーションに成功した。メタ物質中では、誘電率、透磁率は対称性を失い、対角化されていない世界で初めて安定したテンソルになる。FDTD法で計算する場合ファクトライゼーションをする必要があり、これにより光学迷彩のシミュレーションが可能になった。

今後の研究の推進方策

NS-FDTD法を用いて、我々は結合共振導波管を設計した(CROW)。これに、WGM円筒形共振器を用いた。この装置は、光通信、情報処理に使用するためのコンパクトな高性能の波長分離装置として有用である。 2013年に我々はCROWデバイスの特性を向上させるために、正方形や立方体、さらにはその他の不規則な形状を試していく予定である。この目的のためには高速に設計の最適化を行う必要があり、スーパーコンピュータ上で我々のアルゴリズムをインストールする予定である。
量子ビット(Qubit)は、量子コンピューティングにおいて、例えば光子などの量子粒子がentangleされ、もつれが形成されている。波長=500nmで、かつ光源(白色点)で、半径、ここでは共振器WGM内径=500nm、と屈折=2.745のインデックスで数値計算する。電磁場のパターン(赤と青の色合い)をCGで可視化する。この光源は単一光子を1つずつ放出することができる量子ドットで置換されている場合、電磁界パターンは、現在の確率振幅分布となる。1つの光子を効果的に分割し多くの量子ビットを構成することができるもつれ光子を作成する。私たちは、このようなデバイスが実用的であるかどうかを確認するためにいくつかの詳細な計算を行うことを計画している。

次年度の研究費の使用計画

1.量子デバイス計算のための学生アルバイト費:地球シミュレータを用い、並列アルゴリズムを開発するために必要。
2.シミュレーション結果分析のための学生可視化アルバイト料:3次元シミュレーション結果表示のためのアルバイト料。
3.3次元シミュレーション結果表示装置:グラフィック計算機と可視化ソフトを購入予定。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Rendering Morpho butterflies based on high accuracy nano-optical simulation2013

    • 著者名/発表者名
      Naoki Okada, Dong Zhu, Dongsheng Cai, James B. Cole, Makoto Kambe, Shuichi Kinoshita
    • 雑誌名

      Journal of Optics

      巻: Volume 42, Issue 1 ページ: 25-36

    • DOI

      10.1007/s12596-012-0092-y

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effective Permittivity for FDTD Calculation of Plasmonic Materials2012

    • 著者名/発表者名
      N. Okada, J. B. Cole,
    • 雑誌名

      Micromachines

      巻: vol. 3, no. 1 ページ: 168-179

    • DOI

      10.3390/mi3010168

    • 査読あり
  • [学会発表] Nonstandard Finite Difference Models for the Discrete Green's Function of the Scattered Field2012

    • 著者名/発表者名
      N. Okada, J. B. Cole
    • 学会等名
      2012 International Symposium on Antennas and Propagation
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      20121030-20121102
  • [学会発表] Nano-Whispering Gallery Modes and Applications2012

    • 著者名/発表者名
      J. B. Cole, N. Okada
    • 学会等名
      第73回応用物理学会,
    • 発表場所
      愛媛大学・松山大学
    • 年月日
      20120911-20120914
  • [学会発表] Invisibility Cloak with Layered Photonic Crystal that Permits Optical Communication between the Inside and Outside2012

    • 著者名/発表者名
      N. Okada, J. B. Cole
    • 学会等名
      The 2nd Japan-Korea Metamaterials Forum
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      20120628-20120630
  • [図書] Light Scattering Reviews, Vol. 6  "Chapter 4: Advances in finite difference time domain calculation methods"2012

    • 著者名/発表者名
      editor:Alexander A. Kokhanovsky / James B. Cole, Naoki Okada, Saswatee Banerjee
    • 総ページ数
      115-175  (全336ページ)
    • 出版者
      Springer

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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