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2013 年度 実施状況報告書

遮熱コーティングシステム材の高温共鳴超音波弾性計測に基づく界面損傷評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24560084
研究機関岩手大学

研究代表者

脇 裕之  岩手大学, 工学部, 准教授 (30324825)

キーワード遮熱コーティング / 弾性係数 / 損傷評価 / 共鳴超音波スペクトロスコピー / 高温 / はく離 / き裂
研究概要

遮熱コーティング(Thermal Barrier Coating: TBC)の界面近傍の複雑な損傷過程とはく離機構の解明に寄与するため,コーティング直下の損傷状態を非破壊でその場評価できる手法を開発することを目的とした.基材一体のコーティングシステム材のコーティングの弾性係数を共鳴超音波スペクトロスコピー(Resonance Ultrasound Spectroscopy: RUS)により評価し,損傷が発生した際の見かけの弾性係数の変化から損傷を評価する手法の開発を行った.本年度の成果は以下のようにまとめられる.
1.基材に対するコーティングの相対剛性が高い場合において,精度良くコーティングの弾性特性が評価できることを実験的に確認した.コーティングの相対剛性を高めるために,基材の厚さを薄くすることが有効であった.
2.TBCセラミックは金属と比べ相対的に鏡面状態が悪いため,常温においては,TBC単体試験片での計測より,基材一体試験片の鏡面基材側を計測することが有効であることが分かった.特に,特殊ポーラスTBCでは鏡面研磨が困難であり,このような材料では基材一体試験片での評価が有効であると分かった.
3.FEMを用いて損傷が発生した場合の振動解析を行い,損傷が生じた際の見かけの弾性係数の変化(損傷が無いモデルでの弾性係数の変化)を検討した.界面はく離に対しては見かけの弾性係数の変化が小さく,その検出は困難と考えられた.一方,表面縦割れき裂に対しては見かけの弾性係数の変化が大きく検出可能であることが分かった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度は,基材一体RUS評価の高精度化を行った.また,どのような損傷が見かけの弾性係数の大きな変化を起こすかFEM解析により明らかにし,検出可能な損傷タイプを概ね明らかにできた.研究目的に沿って,概ね順調に進展している.

今後の研究の推進方策

微小な損傷を評価するためには,弾性係数群の評価精度が重要となる.基材一体RUS評価の更なる高精度化をはかるため,試験片寸法が結果の弾性係数群に及ぼす影響度の解析を行う予定である.また界面近傍の縦割れき裂など,様々なタイプの損傷が見かけの弾性係数の変化に及ぼす影響を解析する予定である.

次年度の研究費の使用計画

本年度はFEMによる解析的検討を中心とし,実験に必要な経費を翌年に使用することにしたためである.
平成26年度は主に,実験を遂行するための物品費(損傷評価試験片作製,観察用試料作製,加振用圧電素子,実験機器など),研究成果発表などの旅費,での使用を計画している.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Determination of Interfacial Fracture Toughness of Thermal Spray Coatings by Indentation2013

    • 著者名/発表者名
      Y. Yamazaki, M. Arai, Y. Miyashita, H. Waki, M. Suzuki
    • 雑誌名

      Journal of Thermal Spray Technology

      巻: 22 ページ: 1358~1365

    • DOI

      10.1007/s11666-013-9961-4

    • 査読あり
  • [学会発表] Temperature Dependence of Internal Friction in Thermal Barrier Coatings2014

    • 著者名/発表者名
      M. Saitoh, H. Waki, H. Ogi, A.Kobayashi
    • 学会等名
      7th International Workshop on Plasma Application and Hybrid Functionally Materials
    • 発表場所
      香港理工大学(香港)
    • 年月日
      20140307-20140310
  • [学会発表] DCB試験による遮熱コーティングの界面破壊靭性評価2013

    • 著者名/発表者名
      齊藤淳,脇裕之,小林明
    • 学会等名
      日本機械学会M&M2013材料力学カンファレンス
    • 発表場所
      岐阜大学(岐阜市)
    • 年月日
      20131012-20131014
  • [学会発表] Anisotropic Elastic modulus of TBC by Resonance Ultrasound Spectroscopy at High Temperature2013

    • 著者名/発表者名
      H. Waki, M. Saitoh, H. Ogi, A. Kobayashi
    • 学会等名
      Third Japanese- German TBC Workshop
    • 発表場所
      ミュンヘン(ドイツ)
    • 年月日
      20130625-20130627
  • [学会発表] 共鳴超音波弾性計測に基づく遮熱コーティングの損傷評価の基礎研究

    • 著者名/発表者名
      齊藤淳,長澤隆明,脇裕之,荻博次,小林明
    • 学会等名
      日本機械学会東北支部第49期秋期講演会
    • 発表場所
      岩手大学(盛岡市)
  • [学会発表] 溶射皮膜の弾性係数評価法-標準法から全方向係数評価まで-

    • 著者名/発表者名
      脇裕之
    • 学会等名
      日本溶射学会関東支部平成25年度第3回講演会
    • 発表場所
      首都大学東京(東京都千代田区)
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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