| 研究課題/領域番号 |
24560108
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| 研究機関 | 大阪府立大学 |
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研究代表者 |
石原 正行 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60283339)
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| 研究分担者 |
大多尾 義弘 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10275274)
亀尾 佳貴 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60611431)
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| 研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 連続体力学 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は，木質材料を用いた製品の合理的な設計手法の確立を目指して，材料定数の含水率依存性を考慮した不均質異方性体の湿熱応力問題の基礎理論を構築することを目的とし，本年度は以下の成果を得た．
昨年度に構築した水分の吸着・溶解を考慮した拡散方程式，および帯板における1次元定常湿熱場の理論解析に基づき，今年度は数値計算を鋭意展開した．その成果を学術誌へ投稿したところ掲載された．さらに，解析対象を，帯板における1次元非定常湿熱問題へと拡張し，片面で乾燥・常温状態，他面で飽和湿潤・高温状態にある帯板の温度・溶解水・蒸気の分布の経時変化を定量的に明らかにし，その成果を国際学会で発表した．また，その成果に基づき，帯板における1次元非定常湿熱応力を定量的に明らかにした．その結果，水分の吸着・溶解を考慮した湿熱場においては，それらを考慮しない場合には決して発生しなかった応力が誘起されることが明らかになった．これは本研究における決定的な成果であり国際学会にて発表した．
一方，木質材料は不均質な多孔質材料とみなせるため，透水率の不均質分布を有する中実円柱・中空円筒をモデルとして多孔質弾性体のリモデリング問題を解析した．その結果，透水率の空間分布が，水分の流れ場や多孔質弾性体の形態変化に与える影響を調査し，材料の異方性発現メカニズムの一端を解明した．この成果は国際学会で発表した．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
水分の吸着・溶解を考慮した木質材料中の非定常湿熱弾性場を明らかにし，力学的設計の指標となる応力の定量的評価を達成し，水分の吸着・溶解を考慮した場合に注目すべき設計指標を新たに見出すとともに，異方性発現メカニズムの一端を解明できたことから，本研究は概ね順調に進展していると考えられる．
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| 今後の研究の推進方策 |
以後は，木質材料（製品）の力学的挙動の解明を目標として，より現実的な形状に対して湿熱弾性を実施する．具体的には，板材・円柱・円筒モデルに対する3次元問題を取り扱う．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
平成25, 26年度に、単純な形状の素材に対して湿熱弾性場の解析を行ったが、その際に、当初予定していた材料定数の含水率依存性・不均質性のみならず、環境条件の不均一性が湿熱弾性場に大きな影響を与えることが分かった。そのため、平成26年度途中より、当初予定に加えて、環境条件の不均一性の影響を詳細に検討することを優先し、成果発表を平成27年度に行うことにしたため未使用額が生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
そのため、平成27年度にシミュレーションの続行と成果発表のための費用が必要となり、未使用額はその経費に充てることとしたい。
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