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2013 年度 実施状況報告書

高強度ゲルのモデリングと応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 24560109
研究機関大阪府立大学

研究代表者

陸 偉  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20398423)

キーワードDNゲル / 多軸圧縮試験
研究概要

高強度ゲルは従来のゲルと比べ優れた力学特性を有するため,構造部材への応用が期待されている.本研究では,3種の高強度ゲルに着目し,まず中性子散乱実験によって解明されたそれぞれのゲルの力学特性発現機構や変形機構に基づいてゲルの力学モデルの構築を行うことを目的としている.平成24年度では単軸引張の実験データに基づいてDNゲルの力学モデルを構築したが,その妥当性を検証するために,多軸負荷条件下での変形応答の実験データを取得する必要がある.そこで,平成25年度では,まず,発泡樹脂の三次元的な圧縮特性評価する際に用いた試験装置をベースに,ゲル用多軸圧縮試験装置を製作した.次に,単軸圧縮または2軸圧縮負荷を試験体に与えられるように,試験装置の外枠の板にレールを設け,板の位置を負荷条件に応じて調整した.そして,2軸圧縮試験を実施し,ある程度の多軸負荷状況下でのDNゲル実験データが得られた.その一方,平成24年度に構築したDNゲルの力学モデルを用いて複雑な負荷条件下でのDNゲルの変形応答を予測した.さらに,平成25年度で得られた実験結果と計算結果の一部をDNゲルに関する新たな知見として日本機械学会M&M2013材料力学カンファレンスにて公表した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成25年度では,ある程度の多軸負荷状況下でのDNゲル実験データが得られたものの,試験体形状のばらつきおよび試験体とブロック間の摩擦の影響で,再現可能な実験データが得られなかった.その故,計画していたDNゲルの力学モデルの妥当性の検証および改良ができなかった.

今後の研究の推進方策

まず,DNゲルの試験体の形状を加工せず整えるために,シリコン板に溝を開け,組み立て形式で所定の形状を有する強固な重合容器を作成する.次に,モノマー,架橋剤,重合開始剤の水溶液を重合容器に入れ,紫外線を照射して重合させる.重合後,シリコン板を外し,所定の形状の試験体を得る.そして,摩擦の影響を低減するために含水状態でも使えるベビーパウダーを試験体の表面に塗布する.このような対策を施すことにより,多軸負荷状況下でのDNゲルの実験データの再現性を向上させる.

次年度の研究費の使用計画

年度当初,DNゲルの変形量の測定精度を上げるためにレーザ変位計を導入することを計画していたが,試験体とブロック間の摩擦ならびに試験体形状のばらつきにより,試験結果の再現性が取れないことが明らかとなり,摩擦の低減と試験体形状を工夫することを最優先課題として問題の解決に取り込んだ.その結果,レーザ変位計を購入するための物品費(70万円相当)が未使用となった.また,計画していた国際会議の出席は実験結果の再現性が取れないため,キャンセルとなり,該当する旅費(13万円相当)が未使用となった.
上記の最優先課題を解決した後に,DNゲルの変形量の測定精度を上げるためにレーザ変位計を導入することを計画し,物品費として70万円相当を使用する予定.また,実験結果の再現性を確認した後,国際会議にて研究成果を公表することを計画し,旅費として13万円相当を使用する予定.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] DNゲルの動的力学特性に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      陸偉,滝澤雅俊,三村耕司
    • 学会等名
      日本機械学会M&M2013材料力学カンファレンス
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      20131011-20131014
  • [学会発表] ダメージモデルを用いたダブルネットワークゲルの引張変形挙動の数値シミュレーション2013

    • 著者名/発表者名
      成瀬遼,滝澤雅俊,陸偉,三村耕司
    • 学会等名
      日本機械学会M&M2013材料力学カンファレンス
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      20131011-20131014

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公開日: 2015-05-28  

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