研究課題/領域番号 |
24560113
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研究機関 | 新潟工科大学 |
研究代表者 |
山崎 泰広 新潟工科大学, 工学部, 教授 (70291755)
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キーワード | 生体材料 / コールドスプレー / 低弾性 / 生体適合性 / 疲労強度 / 接触破壊 |
研究概要 |
超高齢化社会の到来により生体機能の低下・欠損を人工的に回復する生体機能再建術の高度化がこれまで以上に必要となっている. 本研究は,生体適合性に優れ,高い強度特性を有するインプラント材料を得るため,コールドスプレー法を援用したインプラント材料の表面改質技術を開発することを目的とする.多孔質化により低弾性化を図った表面コーティングで生体適合性を実現し,基材により負荷を支持する機能分離を図ったコーティング複合材を開発する.一般に,皮膜の多孔質化は低強度化を引き起こすが,コールドスプレー法により成膜することにより,皮膜中に高い塑性ひずみを導入し,成膜後の熱処理中により再結晶を駆動力とした粒子結合強度の向上を図った.昨年度までに,成膜条件および後熱処理を組み合わせて準備したコールドスプレー試験片を対象に,弾性係数,耐力,皮膜の密着強度とプロセスパラメータの関係を調査した.さらに,走査型電子顕微鏡および電子線後方散乱回折法による微細組織観察・分析を実施し,低弾性・高強度皮膜を得るための最適プロセスパラメータを検討した.その結果,皮膜の機械的特性に及ぼすプロセスパラメータの影響を明らかにするとともに,皮膜の密着性や皮膜強度の観点から成膜後熱処理の重要性を明らかにした.さらに,皮膜の弾性率が骨と同等の10GPa程度まで,コーティング複合材としての弾性率が60GPaまでの低弾性率化を実現するとともに,皮膜の密着強度,皮膜強度に優れ,通常のTi合金の6割以上の耐力を有するインプラント複合材の開発に成功した. 本年度は,さらに,開発したインプラント複合材の疲労強度特性を評価した.その結果,インプラント材料として十分な疲労強度を有していることが確認された.また,導入した接触型動的加圧付加装置を用いて,皮膜の繰り返し接触破壊抵抗を検証した.その結果,十分な接触は改訂項を有していることが確認された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度は,疲労試験および皮膜の接触試験を実施し,開発材料の信頼性が十分高いことを検証できた.また,皮膜のEBSDおよびTEM観察により,熱処理に伴う皮膜微視組織の変化挙動が明らかとなった.
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今後の研究の推進方策 |
熱処理に伴う皮膜強度の向上メカニズムを明らかにし,さらなる高強度・高信頼性化を試みる.
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度の繰越額の一部が残ったため. 次年度使用予定の国際会議出張旅費の不足分に充当する.
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