研究課題/領域番号 |
24560115
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
日下 貴之 立命館大学, 理工学部, 教授 (10309099)
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研究分担者 |
野村 泰稔 立命館大学, 理工学部, 助教 (20372667)
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キーワード | 機械材料・材料力学 / 損傷力学 / ヘルスモニタリング |
研究概要 |
本研究は,材料工学的な観点から外力にPZT素子の圧電特性劣化のメカニズムを解明すること,高ひずみ下においても圧電特性劣化が小さい安定性に優れたPZT素子を開発すること,PZT素子の圧電特性劣化を補完できる信頼性に優れたSHMシステムを開発すること,開 発したSHMシステムをCFRP接着接合部材の損傷診断に応用し実用化すること,などを目的としているが,平成25年度については,1.応力波伝播挙動の数値解析,2.損傷診断ソフトウェアの開発を行うことを試みた.1.については,市販の有限要素解析ソフトを使用し,損傷の位置,寸法,種類などの因子が応力波伝播挙動に及ぼす影響を明らかにすることを試みた.その結果,Lamb波の散乱をスカラー化した評価指標(DI値)を用いることによって,はく離亀裂のような内部損傷を定量的に評価できることが明らかとなった.また,数値解析結果から,はく離亀裂周辺の曲げ剛性低下による横波の伝播速度の変化がDI値に影響を及ぼすことが明らかになった.2.については,PZT素子をアレイ状に配置し,応力波伝播経路を種々変更することによって,はく離亀裂の分布状況を定量的に評価できることが明らかになった.また,PZT素子間の距離が大きい場合には,損傷診断の精度が著しく低下することも明らかになり,今後,さらなる検討が必要であることが示唆された.特に,損傷の位置と寸法を分離して定量化する過程において,現時点では,両者を適切に分離できていない状況である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
損傷の位置,寸法,種類などの多様な情報をLamb波の伝播挙動のみから同定することが本研究の目標であったが,現時点では,それらを完全に分離できていない状況であり,その点において,当初の計画に未達の部分が存在する.それ以外の部分については,概ね当初の計画どおり研究が遂行できている.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,当初の予定どおり,CFRP接着接合体の試作と試験,損傷診断システムの性能評価などの課題に取り組む予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
評価試験が当初の予定よりやや遅延したため,試験で使用するためのPZT素子の一部を平成26年度に購入することとしたため. 平成26年度中に遅延していた評価試験の一部を実施する.
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