各種の鋼の表面をアルゴンイオンでスパッタエッチングすると、微細な突起物が形成される。突起物のもつ光学的・熱的・化学的機能を長期間にわたり保証し、突起物の機械的機能を摩擦搬送ロールおよび光反射防止膜製造用・塗膜はく離防止用の穴あけ転造ロール表面として利用するため、本研究では、突起物の強度の向上を試みた。その結果、突起物の焼入れまたはプラズマ窒化により突起物の押しつけおよびスクラッチ強度が約2倍に増加すること、プラズマ窒化した突起物は高分子板への静的および繰返し押しつけによっても先端が変形しにくいこと、突起物にSiC薄膜をスパッタコーティングすると、高分子膜の離型性が向上することを明らかにした。
|