最終年度は、角柱ダイヤモンドロータリドレッサを用いてトラバース方式でドレッシングを行う場合について、砥石が均質な連続体であるという仮定に基づいてドレッシングプロセスの幾何学的解析を行い、個々の角柱ダイヤモンド粒によって除去される砥石体積および実質切込み量に及ぼすドレッシング条件の影響を検討した。その結果、1)砥石端面の両側で切込みを与えるトラバースドレッシングの場合、砥石除去体積に切り残しが発生するため、角柱ダイヤモンド粒の砥石除去体積および実質切込み量は、砥石作業面が平坦で切り残しが存在しないという仮定のもとに幾何学的に計算される値よりも大きくなること、2)角柱ダイヤモンド粒の実質切込み量は、周速度比とドレッサ切込み量が同一の場合、アップカットドレッシングに比べてダウンカットドレッシングのほうが大きくなること、3)ドレッサ切込み量を与えないでトラバース運動だけを与えるドレッシングアウトの場合、角柱ダイヤモンド粒によって摩擦される砥石作業面の面積はドレッシングアウト回数の増加とともに大きくなること、砥石作業面摩擦面積率は角柱ダイヤモンド粒の円周方向長さが長いほど大きくなるがドレッサ切込み量や周速度比の影響を受けないことがわかった。 次に、角柱ダイヤモンドロータリドレッサを用いて内面研削で使用される小径砥石に対してトラバース方式でドレッシングを行う幾何学的解析を行った。さらに、ドレッサ幅方向にランダムに角柱ダイヤモンド粒を配置したロータリドレッサを用いてトラバース方式でドレッシングを行う解析も行った。
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