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2012 年度 実施状況報告書

輪郭制御と単純な動作軌道を用いた工作機械の省エネルギー化

研究課題

研究課題/領域番号 24560131
研究種目

基盤研究(C)

研究機関豊橋技術科学大学

研究代表者

内山 直樹  豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10273327)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード工作機械 / 省エネルギー化 / 輪郭制御 / 位置決め制御
研究概要

地球環境問題・資源エネルギー問題が深刻化しており,世界中の工場で昼夜を問わず利用されている工作機械においても,有効な省エネルギー化技術が望まれている。本研究では,工作機械に一般的に用いられている以下の2種類の動作モードに適した省エネルギー制御法を提案する。一つ目は所望の加工形状を実現するための輪郭制御モードであり,目標動作軌道への完全な追従を目的とする。もう一つは,加工終了後の初期位置への復帰や,工作物のローダに用いられる位置決め制御モードであり,終点位置のみが重要なため,途中の動作には単純な軌道が用いられる。双方の方法について,省エネルギー効果のみならず,運動性能も実験検証することを目的とする。
平成24年度の研究では,上記の2つの動作モードのうち,輪郭制御モードについて研究を実施した。申請者がこれまで提案してきた輪郭制御法を,工作物の負荷変動ならびに摩擦・切削力外乱を考慮したロバスト制御法に拡張した。つぎに申請者が保有している工作機械装置に提案法を応用し,省エネルギー効果を検証した。また,省エネルギー制御やロバスト制御に伴う運動精度の低下が懸念されるため,これを確認した。本研究では,主要なロバスト制御法であるスライディングモード制御法を応用したが,一般的なスライディングモード制御法と異なり,線形ではなく非線形の切替面を用いることを提案し,運動精度を低下させることなく,20%以上の省エネルギー効果を達成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新たな輪郭制御法を提案し,5軸機械装置に応用,加工実験を行い,運動精度を低減させることなく,20%以上の省エネルギー効果を確認した。また,高いロバスト性を有するスライディングモード制御法に基づく輪郭制御法を提案できた。
平成25年以降に予定していた単純な動作軌道に基づく省エネルギー制御法についても理論検討を開始し,アクチュエータ効率を考慮した上で,エネルギーが最小となる動作軌道を解析的に求めることができた。

今後の研究の推進方策

平成25年度は,加工終了時の初期位置への復帰動作や,ローダに利用される位置決め制御モードのための省エネルギー制御法を提案する。制御実験を実施し,省エネルギー効果と共に,運動性能への影響について検証する。申請者はこれまで機械装置の駆動に広く用いられている単純な動作軌道を対象とした省エネルギー制御の研究を行っている。この成果として,加減速時間が同じであり,アクチュエータ効率を考慮しないとき,加速時間に関して消費エネルギーが単調増加になることを理論的に証明した。本研究では,負荷が大きくアクチュエータ効率を考慮した省エネルギー制御法を提案する。本研究を推進する方策としては,学生数名を研究補助として雇用し予備実験を効率的に実施する。この実験結果をもとに,理論構築とシミュレーションを行う。シミュレーションについても研究補助者を雇用し,プログラムの作成,データ整理を依頼する。プログラムの一部については,予備実験と並行して進めるものとする。理論の有効性が予想された後,再度,研究補助者を雇用し,実験を実施,データ整理を行い,理論との整合性を検証する。
平成26年度は,本方法の実用性検証を目的とし,市販ローダのサーボ装置を構築する。この際にも,本研究を推進するために,学生数名を研究補助として雇用し,効率的に装置を構築する。また,実用性検証のために,さまざまな動作条件(負荷,速度)のもとで実験を実施する。

次年度の研究費の使用計画

研究補助雇用費(シミュレーションのためのプログラム作成,実験,データ整理):25万円
実験装置部品費(消耗品,機械部品,電気部品):15万円
旅費(研究成果公表・意見収集のための学会参加旅費):10万円

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Energy Saving Control in Five-Axis Machine Tools Using Contouring Control2013

    • 著者名/発表者名
      Naoki Uchiyama, Yuki Ogawa, A. El Khalick M., Shigenori Sano, Kazuo Yamazaki
    • 学会等名
      European Control Conference
    • 発表場所
      Zurich, Switzerland
    • 年月日
      20130717-20130719
  • [学会発表] Reduction of Control Input Variance of Feed Drive Systems Using Sliding-Mode Control with Non-linear Sliding Surface2013

    • 著者名/発表者名
      A. El Khalick M., Naoki Uchiyama, Shigenori Sano
    • 学会等名
      IEEE International Conference on Mechatronics
    • 発表場所
      Vicenza, Italy
    • 年月日
      20130227-20130301

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公開日: 2014-07-24  

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