研究課題/領域番号 |
24560136
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
高橋 学 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (20274334)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 塑性加工 / ブラハ効果 / ハンマリング / レーザー / 超音波 |
研究概要 |
比較基礎研究として,超音波振動印加による種々の効果のメカニズムを解明し,超音波振動塑性加工における超音波振動の最も適切な条件を確立させるために,振動板の材質や印加条件を変化させた超音波印加圧縮試験を行い,諸因子が及ぼすBlaha効果に対する影響を比較・検討した.その結果,今回用いた振動板材料(材料特性)によって応力減少率に大きな差はでなかった.治具と振動板の接触面積が小さいほど応力減少率は大きくなり,加工硬化がすすむにつれてその差は小さくなる傾向があった.Blaha効果には応力減少限界が存在し,限界に達するとそれ以上振動振幅を上げても,応力減少率は大きくならなかった.Blaha効果は,弾性域から超音波を印加した方が塑性域から印加するよりも大きな効果が得られた. 当初,材料に直接パルスレーザー照射を行う予定であったが,十分なハンマリング効果が得られないことや,実現可能なレーザー装置が高価であることから,水中にレーザーを照射しキャビテーションを発生させることにより,キャビテーション破壊時の振動を利用する方法に変更した.キャビテーション破壊発生の条件とレーザー装置の仕様を決定するために,装置メーカーの協力のもとで予備実験を実施し,一定の発生が確認できた.仕様がほぼ確定しレーザー装置を発注した.また,塑性加工の為のプレス装置も発注した.次年度より本格的な試験を実施し,超音波振動印加による塑性加工法との比較を行う.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超音波振動印加による塑性加工の有用性が確認された結果が得られた.一方,パルスレーザーの材料への直接照射は難しいことから照射方法を変更した点があったが,予め予測し対応策を検討していたため時間的なロスは最小限に抑えられた.
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今後の研究の推進方策 |
パルスレーザー装置を利用して塑性加工試験を実施する計画である.超音波印加による周波数26kHzに対してパルスレーザーは10Hzと極端に低いが材料に与える振動が大きいため,エネルギーの観点から注視する必要がある.期間の初期はBlaha効果発現のための条件を見出す作業に費やされる見通しである.一方,超音波振動印加法については安定した試験条件を得ているため,Blaha効果の発生メカニズムを学術的に解明していく.
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次年度の研究費の使用計画 |
既に発注済みのパルスレーザー装置および塑性加工の為のプレス装置が主な設備費となる.その他に光学系レンズや治具加工費などを消耗品として計上する予定である.
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