本研究の包括的成果は,以下の2点を可能にしたことである;①砥石作業面状態の統計的把握による基本的研削性能の予測,②研削仕上げ面粗さの3次元プロファイルのシミュレーション.①は,研削砥石の3次元プロファイルを機上計測することにより可能となった.砥石作業面状態は,砥粒切れ刃分布の統計的な特性値として把握できる.②は,支持剛性を考慮した砥粒切れ刃の実効的切込みモデルに基づいて実行できる.研削仕上面の3次元粗さプロファイルは,3次元作業面プロファイルと実効切込深さ分布から生成できる.作業面の弾性変位を10~20μmと見積もることにより,実研削面とシミュレーションの粗さがほぼ一致することが確かめられた.
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