3年計画の最終年である平成26年度は、垂直な短い円管内面加工実験から工具であるリング状永久磁石外周面に作用する流体のせん断応力と加工量の関係を明らかにした。また、磁場解析によって円管内加工における磁場分布特性と加工量分布特性の関係を調べた。目標としている水平な長い円管内面加工に対しては工具のトルク特性と加工特性の関係を明らかにした。最終年度の成果は以下の通りである。 (1) 永久磁石外周面に作用する流体のせん断応力と加工量の関係 工具に作用するトルクから求めたせん断応力と加工量は相関関係にあることが明らかになった。これより、本加工法がプレストンの経験則に従うことがわかった。また、レオメータで得られたMCFのせん断応力と工具に作用するせん断応力は一致しないことがわかった。この原因が可視化実験により、磁気クラスターの作用表面に対する方向性の違いによることがわかった。 (2) 磁場解析による磁場分布と加工量分布の関係 磁束密度の勾配と加工量を比較した。加工力となる磁気浮力に関係する-d|B|/drと加工量は対応しないことがわかった。 (3) 水平な長い円管内面加工における工具のトルク特性と加工特性の関係 垂直な短い円管内面加工と同様に工具に作用するトルクと加工量は相関関係にあることが明らかになった。また、加工中の工具の移動において、トルクの変化と内径の変化は同様の傾向を示すことがわかった。
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