当該研究は3軸加工で実績を得た「予測補正制御手法」を多軸加工に適用し「形状補間」と「予測補正制御」により高速高精度な多軸加工を実現するシステムの開発である。これまで5軸加工機を導入することができなかったため、汎用的な多軸加工機の軸構成によるシステム開発を行って来たが、システムの検証等ができず、進捗が遅れている状況となっていた。5軸加工機については、平成25度末にようやく導入することができたため、本年はその使い方の学習から始め、試作システムを5軸加工機に対応させてきた。しかし、システム開発で想定した機械構成と異なっていたため、システムの再構築が必要となり、さらにシステム開発に遅れが生じた。 そこで当該年度は、システムの再構築を行うと同時に、導入した5軸加工機において、サーボデータを受け入れ、5軸加工機を駆動させる駆動システムの開発と、駆動したデータを測定するシステムの開発を並行して行った。併せて複雑な5軸加工機の操作手法や加工手法を学習した。その結果、サーボデータが生成できれば、5軸加工機を駆動しその指令位置精度を測定することが可能となった。サーボデータの生成「形状補間」については、軸構成の変更を含めまだ開発が完了しておらず、引き続き開発を行い、今年度中に評価を完了する予定である。このように当該研究は、想定していた5軸加工機の大幅な導入遅れと、システム構成の変更により遅れが生じたが、本年度末には成果を出せる見込みとなった。
|