研究課題/領域番号 |
24560151
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研究機関 | 秋田県産業技術センター |
研究代表者 |
赤上 陽一 秋田県産業技術センター, その他部局等, その他 (00373217)
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研究分担者 |
久住 孝幸 秋田県産業技術センター, その他部局等, 研究員 (40370233)
中村 竜太 秋田県産業技術センター, その他部局等, 研究員 (00634213)
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キーワード | 電界砥粒制御技術 / 遊離砥粒研磨 / 砥粒 / スラリー / 電界 |
研究概要 |
本研究は,試料に対して外部より電界を与えて,優れたスラリー配置分布を得ること,さらにその場で発現する試料と砥粒間に高い化学反応性が得られる環境を提示させ,各々の作用効率向上を持って新たな加工メカニズムを確立することを目的とする. 遊離砥粒研磨技術の特徴として優れた試料表面が得られるこが知られていた.一方,生産工程において,効率が低いことも指摘されていた.これらを解決するためには,試料と遊離砥粒との作用有効性を高める必要がある.従来では砥粒が分散しているスラリーを工具の一種であるパッドの改良によって,砥粒を工具表面に保持する工夫や改良が成されていたが,改善に限界があった.電界砥粒制御技術を提案し,積極的にスラリーを研磨下に導入し,試料位置に対して,良好な砥粒配置を導く研究ならびに提案をしてきた.さらに工具である砥粒作用効率の向上を図るために,砥粒が試料に作用し,化学変化し易い環境についてH25年度はさらなる検討を深めた.すなわち,砥粒の表面が試料に対して,転がり反応性を呈するために条件として,砥粒が試料に与える荷重と転がり性,その時の試料と砥粒の運動を支配する研磨定盤の運動性,並びに,水ベーススラリー濃度の変化によって,高速回転下の研磨回転定盤に導入が可能な濃度条件,電界を印加した環境下におけるスラリーの配置条件,これらについて,電界印加有無の状態におけるスラリーの流動挙動について詳細なる検討を深めた.この結果,電界を印加することで,スラリー温度の上昇は抑制され,良好な試料加工効果が得られた.電界印加によって,研磨レートは既存法の200%向上することが得られた.また研磨試料の表面粗さも従来同等なることを明らかにした.また,高価な用いる砥粒濃度を抑えることに成功したが,H26年度これらの再現性について明らかにし,今後も高めて行く.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画した研究開発が成し得ているため.
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今後の研究の推進方策 |
本研究では砥粒と試料とが化学反応を生じるいわゆるCMPの更なる効率化を目指す基礎技術開発である. 加工レートの改善の糸口は見られたが,再現性や最適性,さらに次世代につなげるためには,より試料にダメージを与えない加工方法を見出して参りたいと考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
高電圧電界印加が可能な高回転系研磨試作装置の設計並びに部品の設計製作に時間を要したため,初年度は主に基本開発としたため. H25年には試作装置の整備と実験で得られる表面解析評価機器の整備に集中する.
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