研究課題/領域番号 |
24560151
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研究機関 | 秋田県産業技術センター |
研究代表者 |
赤上 陽一 秋田県産業技術センター, その他部局等, その他 (00373217)
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研究分担者 |
久住 孝幸 秋田県産業技術センター, その他部局等, 研究員 (40370233)
中村 竜太 秋田県産業技術センター, その他部局等, 研究員 (00634213)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 電界砥粒制御研磨技術 / サファイア / スラリー / CMP |
研究実績の概要 |
本研究は,研磨界面で作用する砥粒と試料とが化学反応を伴いながら加工するいわゆるCMPの更なる効率向上を目指す研究開発である.最終年度である本年度は,研磨条件によってもたらされる作用効率の向上と加工メカニズムを解明することを目的とする.①試料と遊離砥粒との作用性を高めるために電界砥粒制御技術を導入し,電界による吸引力により,積極的にスラリーを研磨下に導入させ,研磨箇所に砥粒が配置し易いためのスラリー濃度について検討.②研磨作用を生じ易い諸条件を見いだす. 研磨作用は,砥粒が試料に荷重を与えること,回転定盤下に砥粒を多く存在させること,優れた面を得るためには砥粒転動性に優れること,その時の試料と砥粒の運動を支配する研磨定盤の運動性に富むこと,高速回転によって砥粒の飛散性を抑制し,加工圧を抑えることも重要.導入可能なスラリー濃度条件,電界を印加した環境下におけるスラリーの配置条件,電界印加有無の状態におけるスラリーの流動挙動について研磨実験を深めた.結果,電界を印加することで,スラリー温度は上昇し抑制された.スラリーが研磨界面に流入新陳代謝がなされることが示された.これによって,局部的な温度上昇もなく,優れた加工面が得られた.スラリー濃度はそれぞれ,1と5wt%とし,電界印加状態にて,定盤回転数は1600rpmまで上昇させると800rpmまでは研磨レートは回転スピードに比例して向上する結果を得た.また,試料の表面粗さは,通常の研磨法と同等レベル.一方,それ以降は,スラリー飛散が多くなり,表面は劣化した.800rpmにおける研磨効率は既存法に比べ250%向上することを得た.このとき4kV下にてスラリー濃度1wt%,無電界時5wt%の濃度と同値の研磨レートを得たが高価な砥粒を80%抑えることも成功した.消耗品の使用量を抑え高能率,高い品位を持つ加工技術の提案に成功した.
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