• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

高周速ギヤボックスの自己減圧作用による損失低減と自律的潤滑の可能性

研究課題

研究課題/領域番号 24560156
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京工業大学

研究代表者

北條 春夫  東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (40108238)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードはすば歯車 / 減圧 / 断熱圧縮 / 損失低減
研究概要

当年度は,すでに実施済みの実験結果をまとめた結果をまとめた.本研究では歯車をギヤボックス内の空気を排出するギヤポンプとして活用することとして,歯溝の空気を相手の歯車が押し出す動作に対して,適切に空気の出口を用意するものである.このとき,ギヤボックス内の圧力低減の可能性と,限界についてまとめた結果,おおむね0.02MPa(絶対圧,気圧換算で0.2気圧)までの低減が可能であることと,またその際に発熱する様子について明らかにすることができた.発熱は,空気を排出する際に断熱圧縮が行われることで生じることを確認した.現実には,ギヤボックス内において減圧された空気が還流するために,常時圧縮工程が生じているので,外部への熱伝達と外部温度とのバランスで温度上昇が決まるが,この温度上昇は,100度を超えることが確実になった.
特にはすば歯車においては,歯がねじれているために上述の空気の圧縮と排出行程が,軸方向に空気を絞り出すように行われるので,一方の端部へ押し込まれるような流れが生じている.この部位で空気の出口がふさがれるようになると,ここに熱がたまる傾向があることが判明した.側面のシール部分にこの空気が逃げやすくするポケットを設けるという簡単な対応を施した実験により,温度上昇を緩和できるようになったが,まだ十分とは言えない.この結果として,歯車運転時には,温度上昇に伴う熱膨張が無視できない量になっており,歯車とギヤボックスの間に設けた隙間が減少して,焼きつきに至ることがわかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在,実験装置の改修を行っており,その完成が当初予想よりも遅れているのが原因である.実験が開始できればルーチンの計測を行うことができるので,現状での遅れは,当初の目的を達成するのに大きな影響を及ぼすことはないと考えている.

今後の研究の推進方策

実験中心の研究であるので,いかに効率的にデータを収集するかが大きな課題であり,その際には,実験結果に合わせて実験条件を随時修正する必要がある.また,断熱圧縮による温度上昇は,現象としては理解できていても,これを回避する方法については,試行錯誤的な因子の自由度が種々あるので,地道に研究を進めることが肝要と考えている.

次年度の研究費の使用計画

実験条件をいくつか変更するために,歯車の製作,また空気流の制御をおこなうためのガイドポケットの製作を行い,種々の計測を実施する.歯車は,無潤滑運転をするために,表面コーティングの処理を行うので,このためのコストも発生する.また,温度,圧力測定を円滑に行うために測定環境の改善を行う予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 自己ポンプ作用を利用した歯車装置の風損低減:発熱の低減2012

    • 著者名/発表者名
      馮 凱, 金子 祥平,北條 春夫 , 松村 茂樹
    • 学会等名
      日本機械学会
    • 発表場所
      金沢大学(石川県)
    • 年月日
      20120910-20120912

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi