研究課題/領域番号 |
24560160
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
西川 宏志 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40208161)
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キーワード | トライボロジー / 弾性流体潤滑 / 油膜厚さ / 圧力 / 温度 / 機械要素 / 国際情報交換 / チェコ |
研究概要 |
接触圧力分布測定法の開発に関しては、計画より進行が遅れているが、全体としては研究を進めることができ有用な知見が得られており、成果を平成25年度に国際会議(平成26年度報告書に記載)などで発表を行なった。 ・接触圧力分布測定法の開発 光干渉を利用した圧力については、膜厚・材質を設定して成膜した圧力計測用光学干渉層を用いる方法および既成の単色干渉フィルタの多層干渉面を接触面に用いる方法について圧力測定の精度確認実験などを行なったが、分解能の不足などにより現時点では測定法を確立するまでには至っていない。 ・表面凹凸を有する試験片の作製 マスクを利用してクロムをスパッタリングすることにより表面にサブミクロンの高さの突起を有する試験片を製作した。 ・赤外線温度分布測定 接触域内の温度分布測定に関しては、鋼球固定―円板運動の点接触条件下において、鋼球表面に単列あるいは複列の突起が接触域内の様々な位置にある場合について実験を実施し、突起の影響に関するデータを得た。 ・衝撃荷重による油膜閉込め試験 平滑面および表面に凹凸を有する試験片を用いて隙間を有する場合の衝撃荷重負荷条件下での油膜挙動のメカニズムを探った。鋼球試験片、クラウニングを有するローラー試験片で実験を実施し、ローラー試験片では表面に存在する帯状突起の母線方向により油膜の挙動が異なることなどの知見を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
接触圧力分布測定法については当初の予想より開発が困難であり計画よりも遅れているが、油膜厚さ計測、温度分布計測などによる実験により全般的には研究を進めることができ、油膜挙動に関する有用な知見が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の重要な課題である接触圧力分布測定法に関して様々な試みを行ない、現在遅れている圧力分布測定法の開発を進められるよう注力し、接触圧力分布を測定可能にする。また、表面に突起を有する試験片を用い、一方向運動試験や閉込め油膜試験での油膜厚さ計測、温度分布計測などによる油膜挙動の研究をさらに推進する。 これらにより、多様な条件下で膜厚・圧力・温度・トラクションなどを高精度で計測し、総合的に油膜挙動を把握することで、機械要素の性能向上・寿命向上のための指針を得る。
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