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2012 年度 実施状況報告書

テクスチャリングによる高品位塗装技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24560167
研究種目

基盤研究(C)

研究機関日本大学

研究代表者

小林 義和  日本大学, 工学部, 准教授 (60277390)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード表面テクスチャ / 塗装
研究概要

H21~H23年度に開発した塗装ロボットを用い、塗装特性と表面テクスチャとの関係を検証し、製品への高品位な塗装条件を検証するために、水性塗料による塗装実験を行った。塗装実験の評価手法としては、①クロスカット法(JIS H5600-5-6)による付着性評価、②マンドレル法(JIS K5600-5-1)による耐屈試験、③プルオフ法(JIS K5600-5-7 (ISO 4624))による付着性評価、④光沢度計による表面測定、の4種類の評価方法により塗装状態を評価した。その結果、以下の結果を得た。
(1) テクスチャ処理前の基板において、塗装速度、塗料噴射量、及び塗装回数による塗膜の表面機能すなわち表面粗さ、付着力及び光沢度を評価した。その結果、高品質な塗装を行うための条件は、塗装速度が100mm/s以上~150mm/s以下、塗料噴射量が3.0g/min以上5.0g/min未満、クリヤー塗装回数が3回であった。
(2) テクスチャ処理の粗さ、方向及び塗装方向における塗膜の表面機能すなわち表面粗さ及び付着力を評価した。その結果、表面粗さにおいては、一方向のテクスチャ処理が二方向と比べて粗い表面となった。また、塗装方向による塗膜の表面粗さの相違は検出されなかった。付着性においては、基板の表面粗さが滑らかなほど塗装後の塗膜の付着力が高くなった、さらに、テクスチャに対して平行方向の塗装のほうが、直交方向の塗装と比べて付着力が高くなった。
また、塗料の均一性(ムラ)を評価するための測定機を開発するため、測定機の設計を行い、現在、機構部品の組み立てと制御及びデータ取得プログラムを作成中である。H24年度の研究実績は精密工学会春季大会で発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

基板上の表面テクスチャと塗装特性の関係は前述の4種類の評価試験により関連付けられた。しかし、これらの結果は塗装が完了した表面に対しての結果であり、塗装工程間による塗装状態の変化など更に細かく塗装状態を調べることにより、最終的な塗装状態を高品位にすることができると考えられる。したがって、評価試験により一つの結果は得られたが、更に行う課題が出てきたという状況である。
また、本研究の目標の一つである塗料の均一性評価試験器の開発においては測定機の設計が終わり組み立て中である。H25年度中には実験を行い、結果を得られる見通しである。流動性(濡れ性)試験についても現在実験を行い、その結果を解析するための解析プログラムを作成している段階であり、H25年度中に結果を出せる見通しである。

今後の研究の推進方策

塗料の均一性(ムラ)、流動性(濡れ性)を評価する。
①塗料の均一性(ムラ)測定装置の開発:測定原理は、透明基板上に塗装された塗膜にレーザを照射し、透過した光量を測定することで塗料ムラを測定する。そして、塗膜界面の表面性状と塗装条件を考察することにより塗料が均一に塗布される最適条件を推測する。
②流動性(濡れ性)解析システムの開発:テクスチャ処理された表面の濡れ性をビデオカメラにより測定し、画像処理により濡れ性パラメータを求め、塗装結果と比較・検討を行う。

次年度の研究費の使用計画

H25年度は塗料の均一性を測定する装置の開発を終了し、実験を行う予定である。現在は装置の組み立てを行っており、装置を構成する配線や部品などを計上する。また、塗装実験及び基板上のテクスチャリングにおいて、塗料とエンドミルが必要になる。
流動性の評価においては、ビデオカメラにより塗料の濡れ性とテクスチャとの関係の経時変化を調べる予定である。そこで、ハイスピードビデを計上する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] テクスチャ処理による塗装膜の付着性制御と評価2012

    • 著者名/発表者名
      渡辺暁,溝口知広,小林義和,白井健二,若林裕之,原靖彦,岩城一郎,子田康弘,李和樹,近藤司
    • 雑誌名

      日本大学工学部 紀要

      巻: 第54巻 第1号 ページ: 29-32

    • 査読あり
  • [学会発表] プルオフ法を用いたテクスチャリングによる塗膜の表面機能の定量的評価2013

    • 著者名/発表者名
      渡辺暁,溝口知広,小林義和,白井健二
    • 学会等名
      2013年度精密工学会春季大会学術講演会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      20130313-20130315
  • [学会発表] Adhesion Control of Coating Film by Texturing2012

    • 著者名/発表者名
      Akira WATANABE,Tomohiro MIZOGUCHI,Yoshikazu KOBAYASHI, Kenji SHIRAI
    • 学会等名
      2012 ASPE 27th Annual Meeting
    • 発表場所
      USA
    • 年月日
      20121021-20121026

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公開日: 2014-07-24  

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