歯車のかみ合い摩擦損失低減のために、接触領域に混合潤滑状態分布がある場合のころがりーすべり接触面の摩擦係数推定式を検討し、下記の結果を得た。 (1)混合潤滑状態でも弾性流体潤滑油膜厚さ分布の薄い部分が主に接触し、摩擦係数は最小油膜厚さ部分に着目して良い。(2)接触領域を細分部分の潤滑状態を考慮した摩擦係数を面積分した値と最小油膜厚さから求めた摩擦係数の値はほぼ同値である。(3)線接触片当たりで潤滑状態分布がある場合でも、接触領域の最小油膜厚さを考慮すれば摩擦係数を推定できる。(4)大きく歯形修正を施した歯面を有する歯車のかみ合い摩擦による動力損失も、考案した式で求めることができる。
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