研究課題/領域番号 |
24560173
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研究機関 | 木更津工業高等専門学校 |
研究代表者 |
板垣 貴喜 木更津工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00290718)
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研究分担者 |
高橋 秀雄 木更津工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (50179511)
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キーワード | 歯面温度 / 摩耗 / 摩擦 / 籾殻 / 炭素材料 / ねじ歯車 / 射出成形 / プラスチック |
研究概要 |
(1)食い違い軸歯車である軸角40度のねじ歯車で加速試験および寿命実験を実施した.ポリアセタール樹脂に混入したRHSC粉体のメディアン径を5ミクロンおよび60ミクロンの2種類とし,粒径の違いによる影響を検討した.その結果,加速試験による許容できる負荷の大きさや歯車温度にRHSC粉体の混入の影響はほとんど見られなかった.一方,寿命試験では,ポリアセタールのねじ歯車の場合に比べて,RHSC粉体を混入させたねじ歯車は格段に長寿命となり,粒径の違いはそれほど大きく現れないという傾向がみられた.寿命の整理を平均歯面温度で評価することが合理的であることが分かった.寿命に至った歯車のサンプルから破損形態は全て摺動歯面の摩耗によることが分かった.寿命試験中の騒音の変化を測定した.歯車の温度との相関があることが確認できた.これらの結果をまとめ,その一部を日本機械学会関東支部第20期総会・講演会にて発表した. (2)ねじ歯車の試験と同時に既存の平行軸の歯車試験機を用いてRHSC粉体を添加したプラスチックはすば歯車の実験を行った.平歯車とほぼ同様の傾向が得られている. (3)前年度と同様にRHSC粉体を添加したプラスチック平歯車に関する発熱および騒音の原因や破壊の原因などを論文としてまとめて投稿した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)プラスチックねじ歯車の寿命において添加したの効果を確認した. (2)RHSC粉体を添加したプラスチックねじ歯車の破損形態は歯面の摩耗であることを確認した. (3)プラスチックねじ歯車の寿命試験中の騒音を測定し,歯車温度との良い相関を確認した. (4)RHSC粉体を添加したプラスチック平歯車の内容をまとめて投稿することが出来た.その結果をねじ歯車の実験結果の考察に利用・参照可能となった. (5)歯面の摩耗の様子の観察については継続中であり,今後の課題である. (6)POM-RHSCねじ歯車のFEM解析モデルの作成は継続中であり,今後の課題である.
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今後の研究の推進方策 |
試験ねじ歯車の寿命に及ぼすRHSC粉体の粒径の影響について不明な点があり,歯面の摩耗などを調査する予定である.さらに,FEM解析についても引き続き検討する.主な実施内容は以下の通りである. (1)寿命後や運転中の歯車から破面の摩耗の状況を観察することで疲労損傷のメカニズムを検討する. (2)耐久試験や歯面観察の結果を鑑みて,RHSC粉体のメディアン径,配合量の影響を検討し,歯車の最適設計法を検討する. (3)RHSC粉体を添加したプラスチックねじ歯車の特性に関する論文を投稿する.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の予算の総計が\300,000-であったため,申し込んだ国際会議旅費などの予算が不足すると考え,その分を繰越額とした. 9月に開催される国際会議の参加費および出張旅費および投稿した論文の掲載費
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